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南米(ブラジル、コロンビア、ペルー)、中米(ガテマラ、ホンジュラス、コスタリカ、エルサルバドル、パナマ)のコーヒー産地とその特徴についてまとめました。
お気に入りのコーヒーについて知識を深めるとさらにおいしく味わえるかも・・・?
南米
Brazil -ブラジル-
【基本情報】
首都:ブラジリア
国土面積:8,512,000k㎡
気候:熱帯気候、亜熱帯気候
主な地域(農園):ミナスジェライス州(イパネマ農園アルタ・ヴィスタ農園、カルモ農園、ファゼンダ・バウ農園)、サンパウロ州()、パラマ州()
等級:欠点豆数(~4:No.2、~36:No.4/5)とスクリーンサイズ(S-17/18、S-14/15/16)
主な品種:アラビカ種8割(ブルボン種、カトゥアイ種、ムンドノーボ種)、カネフォラ種2割(コロニン)
主な精選:ナチュラルプロセス(小規模農園)、ウォッシュドプロセス(大規模農園)
特徴:苦味と酸味のバランスが良く、ストレートではもちろん、ブレンドのベースとして利用されことが多い
有名なコーヒー:ブラジルサントスNo.2
フレーバー:ナッツ、チョコレート
【備考】
コーヒー豆世界1位の生産量。(アラビカ種1位、カネフォラ種2位)
世界の総生産に占めるブラジルコーヒーの割合は約36%。
リオデジャネイロ→サンパウロ→パラマ→ミナスジェライスと農地が移った。(霜による湿気の影響)
精製方法は山岳地帯が多く水を引くのが困難なことから水を使わないのナチュラルプロセルが主流となった。
品質にこだわる小規模農家がいる一方、生産性を重視して機械化を進める大規模農家もいる。
コーヒーの国際的品評会「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」は、1999年にブラジルで開催された品評会から始まった。
Colombia -コロンビア-
【基本情報】
首都:ボゴタ
国土面積:1,138,910k㎡
気候:熱帯気候(地域によって異なる)
主な地域(農園):ウィラ地区(エルパライソ農園、ラスフローレス農園、パレスチナ農園)、ナリーニョ地区(ガリナセナ農園)、ノルテデサンタンデール(エル・ローブレ農園)
等級:スクリーンサイズ(S14~S16:エクセルソ・UGQ、S17~:エクセルソ・スプレモ)
主な品種:アラビカ種(カトゥーラ種、カスティージョ種、コロンビア種)
主な精選:水洗式(ウォッシュドプロセス)
特徴:酸味、苦味、コク等のバランスがよく、スッキリとして飲みやすい印象
有名なコーヒー:コロンビアスプレモ
フレーバー:チョコレート、フルーティー
【備考】
世界3位の生産量。
アンデス山脈付近で採れるコーヒーの内、上位約3%程の高品質のもののみが”エネラルドマウンテン”として商品化される。
1927年にコーヒーの生産~流通を管理する「コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)」を設立し大規模な農園から小規模農園までこのFNC加入が義務付けられているためコロンビア産のコーヒーは安心して購入することができる。
近年では、精製方法が新しいダブルアナエロビックでのコーヒーが流行しており、イチゴショートケーキのような甘酸っぱい香りが特徴でスペシャルティー市場に乗っかったコーヒーと言える。
Peru -ペルー-
【基本情報】
首都:リマ
国土面積:1,285,000k㎡
気候:温帯夏雨気候(アンデス山脈)、熱帯雨林気候(アマゾン低地)
主な地域(農園):カハマルカ州(ラ・カピージャ地区小規模農園:アンデスブルー)、アマゾナス州(クナミア郡ロンヤ町)
等級:欠点豆数(~15:G1~、16~23:G2、24~30:G3、31~35:G4、36~40:G5)
主な品種:アラビカ種のみ
主な精選:ウォッシュドプロセス、ナチュラルプロセス、ウチュニャリプロセス(ハナグマの糞から採れる未消化のコーヒー豆)
特徴:軽めのコクと程よい酸味、まろやかな苦味、マイルドで甘味の余韻が残る後味
有名なコーヒー:有機JAS ペルー マチュピチュ、ペルー アンデスブルー G1
フレーバー:ナッツ、ビターチョコ
【備考】
ペルー北部の3県、カハマルカ、アマゾナス、サン・マルティンの地域では、ペルー産コーヒー豆の6割ほどの量を生産している。
精製方法の一つであるウチュニャリプロセスはハナグマがコーヒー豆を食べ、消化酵素によって発酵することにより程よい甘味が出るプロセスである。
中米
Guatemala -ガテマラ-
【基本情報】
首都:ガテマラ
国土面積:108,889k㎡
気候:亜熱帯気候、5~10月が雨季
主な地域(農園):アンティグア(フィラデルフィア農園、アゾテア農園)ウェウェテナンゴ(ドン・アントニオ農園、ラス・オルテンシアス農園)、サンマルコス、アティトラン(サンペテ協同組合)、コバン(オーロラ農園)、フライハーネス(エル・プルテ農園)、ニューオリエンテ(グアルバドール農園)、アカテナンゴ(ラ・タシータ農園)
等級:標高(1350m~:SHB、1200~1350m:HB、1050~1200m:SH、900~1050m:EPW、750~900m:PW、750~600m:EGW、~600m:GW)
主な品種:アラビカ種(ブルボン種、カトゥーラ種、カトゥアイ種、ティピカ種)、ゲイシャ種
主な精選:ウォッシュドプロセス(一部ナチュラル、ハニー、アナエロ)
特徴:バランスのとれた味。フルーティーな酸味としっかりとしたコク・ボディ。
有名なコーヒー:ガテマラ SHB
フレーバー:チョコレート、ナッツ、柑橘系
【備考】
日本への輸入量は世界4位
コーヒー産業は1969年のガテマラ全国コーヒー協会「アナカフェ」発足以来、生産者と政府関係者が中心となって管理している。
ガテマラのコーヒーノキのほとんどが山の斜面で栽培され、シェードツリーと呼ばれる日陰を作る高い木の下で栽培される。
アンティグアは、火山に囲まれた火山灰質の土壌と、標高1500m前後の寒暖差のある地域なので香りがよくボディのある高品質なコーヒーであると評価されている。
Honduras -ホンジュラス-
【基本情報】
首都:テグシガルパ
国土面積:112,500k㎡
気候:海岸地域は高温多湿の熱帯気候、内陸の高原地域は亜熱帯気候
主な地域(農園):マルカラ、コマヤグア、サンタバルバラ、チョルテカ、グラシアス、コパン、レンピラ、オパラカ、モンテシージョス、アガルタ
等級:標高(1200m~:SHG、900~1200m:HG、600~900m:CS)
主な品種:アラビカ種(ブルボン種、カトゥーラ種、カトゥアイ種、パーカス種、パライネマ種)
主な精選:ウォッシュドプロセス
特徴:香り高く、甘味と酸味のバランスが取れた味わい。ナッツの香ばしさとフルーティーな酸味。カラメルのような上品な味わい。
有名なコーヒー:ホンジュラス マルカラ
フレーバー:チョコレート、キャラメル、ナッツ、柑橘系、トロピカルフルーツ系
【備考】
アラビカ種の生産量は世界第4位(1位ブラジル、2位コロンビア、3位エチオピア)
国土面積は日本1/3程度なので生産量ではブラジルやコロンビアには勝つことはできない。
なので高品質なコーヒー豆を育てることにフォーカスを当てている。
品種の半数近くが"カトゥーラ種"で占めている。
”カトゥーアイ種”は矮性種の”カトゥーラ種”と樹高の高い”ムンドモーボ種”の人工交配によって生まれた品種であり、風味が良く収穫量に優れている”ムンドモーボ種”の樹高を低くし栽培しやすいように作られた品種である。
Costs Rica -コスタリカ-
【基本情報】
首都:サン・ホセ
国土面積:51,100k㎡
気候:カリブ海沿岸地域・太平洋沿岸地域は熱帯気候、中央盆地は年間平均20℃
主な地域(農園):セントラル・バレー、トレス・リオス、トゥリアルバ、ブルンカ、グアナカステ、タラス、オロシ、ウェスト・バレー
等級:標高(太平洋側 1200~1650m:SHB、1000~1200m:GHB、800~1000m:HB。太平洋と大西洋の間 500~1000m:MHB。大西洋側 ~900m:HGA、600~900m:MGA、150~600m:LGA)
主な品種:アラビカ種(カトゥーラ種、カトゥアイ種、ブルボン種、ビジャ・サルチ種、ビジャロボス種、サチモール種、ヴェネシア種、コスタリカ 95
主な精選:ウォッシュドプロセス、ハニープロセス
特徴:濃厚の甘さと控えめな苦味。ハニープロセスによる様々な果実感が味わえる。
有名なコーヒー:コスタリカ ジャガーハニー
フレーバー:オレンジ、アップル、チョコレート、ハニー、グレープフルーツ、キャラメル
【備考】
コスタリカで行われる精製方法の一つであるハニープロセスはパルプドナチュラルの一種です。
ミューシレージの除去割合によって製法の呼び方が変わります。
・ブラックハニープロセス:ミューシレージ10~20%除去
・レッドハニープロセス:ミューシレージ20~40%除去
・イエローハニープロセス:ミューシレージ40~60%除去
・ホワイトハニープロセス:ミューシレージ90%除去
乾燥時のミューシレージの残し具合で糖の量を調整し、生豆の風味に違いを持たせることができます。
プロセスはパルプドナチュラルと同じですが、パルプドナチュラル果肉除去により乾燥のスピードを上げ、精製のクオリティを上げる狙いがあるので少し違います。
El Salvador -エルサルバドル-
【基本情報】
首都:サン・サルバドル
国土面積:21,040k㎡
気候:熱帯気候、5~10月が雨季
主な地域(農園):ソンソナテ、チャラテナンゴ、サンタアナ、アワチャパン(シャングリラ農園)
等級:標高(1200m~:SHG、900~1200m:HG)
主な品種:アラビカ種(ブルボン種、パカス種、パカマラ種、ゲイシャ種)
主な精選:ウォッシュドプロセス、ハニープロセス、アナエロビックプロセス
特徴:マイルドな酸味とスッキリとした後味。苦味が残りにくく豊な香り。
有名なコーヒー:エルサルバドル シャングリラ農園
フレーバー:オレンジなどの柑橘系、マンゴー、ミルクチョコレート
【備考】
エルサルバドルは20を超える活火山が存在し、火山灰を含んだミネラル豊富な土壌と熱帯の気候によって高品質なコーヒーが栽培されます。
エルサルバドルで有名な品種であるパカマラ種は、エルサルバドル国立コーヒー研究所により開発された品種でスペシャルティコーヒーとして世界的に評価を得ています。
Panama -パナマ-
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